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【独立行政法人への転職】書類選考や面接対策として絶対に目を通すべき3つの資料【読み方も解説】

【独立行政法人への転職】書類選考や面接対策として絶対に目を通すべき3つの資料【読み方も解説】 独立行政法人への転職
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独法暮らしのモリモトです。

転職活動をしていると次のような悩みが出てくると思います。

  • 志望動機が書けない
  • 面接でうまく質問に答えられるか不安
  • 希望年収の相場が知りたい

通常は転職サイトや転職口コミサイトを読んで対策しますね。でも「転職サイトは一般論しか教えてくれないから自分の転職先に合った内容までは書けない」、「口コミサイトの情報なんて信用できない」と思い、なかなか前に進めないこともあるでしょう。

ところが、独法への転職活動となれば話は別です。これらの悩みをすんなりと解決できてしまう方法があるのです。

それが、独法自身が公開している3つの資料を読むことです。

この記事では、その資料とは何なのか、そして、どこをどう読んで活用すればよいのかをお伝えします。

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絶対に目を通すべき3つの資料

いきなり結論です。読むべき資料は次の3点です。

絶対に目を通すべき3つの資料
  • 中期目標
  • 業務実績等報告書
  • 役職員の報酬・給与等

これらは法律や政府方針により一定の様式で作成を義務付けられている資料ですので、どの独法にもかならず存在し、ウェブサイトにて公表されてます。

したがって、あなたが独法に転職したいと考えているのであれば、これら3つの資料は大いに活用できます。

ちなみに、各法人のオフィシャルサイトのどこに置いてあるかがちょっとわかりづらいので、「(法人名) (資料名)」でGoogle検索することをおすすめします。そこでヒットした法人のウェブサイトから最新版を確認しましょう。

それではどのように活用するのか、早速解説していきます。

中期目標で志望動機のヒントを探す

中期目標というのは、独法が達成すべき業務運営に関する目標として定めるものです。中期目標を定めることは法律によって定められています。

なお、中期目標は一般的な独立行政法人(中期目標管理法人)にて定めているものです。他の法人では若干粒度が異なるこれに相当するものが存在します。国立研究開発法人は中長期目標、行政執行法人は年度目標が該当し、いずれもおなじように活用できます。

法人の位置づけと業務の大枠を掴め!

中期目標を読めば、その法人が政策上どのような位置づけで何のために設置されていて、法人が何に取り組んでいて、各業務において何を目指しているのかがわかります。

つまり、書類選考の志望動機で書くべき3つの理由はここですべて網羅することができます。

  • この業界を志望する理由
  • この法人を志望する理由
  • この業務を志望する理由

3つの理由については別途今後解説します。

冒頭と数ページだけ目を通せ!

業界の志望動機と法人の志望動機は冒頭の「政策体系における法人の位置づけ及び役割」から拾ってくることができます。

しかし、ここだけだと具体的な業務がよくわかりません。そこで、少し読み進めると出てくる「 国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」を見ましょう。ここから自分が一番興味がありそうな業務を見つけて熟読します。

それ以外のところは流し読みで良いです。具体的には、各項目の見出しと、その下にどんな内容(小見出し)がぶら下がっているかを読みます。法人全体の事業体系をなんとなく理解できればOKです。

それでは具体例として、都市再生機構(UR)の第四期中期目標を見てみましょう。

まず、「政策体系における法人の位置づけ及び役割」ではこんなことが書いてあります。

昨今の経済社会情勢に目を向けると、我が国は世界的に見ても高齢化が進行してお り、特に地方圏における人口減少・少子高齢化が進展しているほか、東京一極集中の 傾向が継続するなど経済社会構造上の大きな課題に直面しており、これらに対応する ための施策を講ずることが急務となっている。また、大規模災害が相次ぐ中、切迫す る巨大地震等や気候変動の影響により頻発・激甚化が懸念される気象災害から国民の 生命と財産を守るため、国土強靱化に向けた防災・減災、老朽化対策等は喫緊の課題 である。

第四期中期目標|都市再生機構 https://www.ur-net.go.jp/aboutus/bjdv9d00000010rj-att/ur202208_keikimokuhyo.pdf

機構は、機能的な都市活動及び豊かな都市生活を営む基盤の整備が社会経済情勢の 変化に対応して十分に行われていない大都市及び地域社会の中心となる都市におい て、市街地の整備改善及び賃貸住宅の供給の支援に関する業務を行うことにより、社 会経済情勢の変化に対応した都市機能の高度化及び居住環境の向上を通じてこれら の都市の再生を図るとともに、賃貸住宅の管理等に関する業務を行うことにより、良 好な居住環境を備えた賃貸住宅の安定的な確保を図り、もって都市の健全な発展と国 民生活の安定向上に寄与することを目的としている。

第四期中期目標|都市再生機構 https://www.ur-net.go.jp/aboutus/bjdv9d00000010rj-att/ur202208_keikimokuhyo.pdf

そして、「 国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」には次のようなことが書いてあります。

①都市の国際競争力と魅力を高める都市の再生 

グローバルな都市間競争が激化するなか、資金、人材、技術等が集積し、我 が国の経済活動等の中核としての役割を果たす大都市等においては、我が国経 済を牽引することが期待される産業を育成し、また、グローバルな業務を展開 する企業の拠点等の立地を促進するため、都市の国際競争力の強化及び都市の 魅力を高める都市再生を進めることが必要である。 このため、機構は、大都市等において、都市の国際競争力の強化に必要とな る経済基盤の確立等に必要不可欠な国家的プロジェクトや都市の魅力の向上 に資するプロジェクトに積極的に関与し、これらの実現に向けたコーディネー ト及び都市再生事業を実施すること。

第四期中期目標|都市再生機構 https://www.ur-net.go.jp/aboutus/bjdv9d00000010rj-att/ur202208_keikimokuhyo.pdf

これらを読んだ上で志望動機をひねりだせと言われれば、あまり都市開発やUR都市機構のことを知らない人でもそれらしい文章を作文できるでしょう。

もちろん、志望動機の基本形は「理念等に共感した」になると思いますが、あなたがその理念等に共感したことの説得力を増す情報として、あなた自身の経験・エピソードや考えをあわせて記載することを忘れないでくださいね。

「業務実績等報告書」で業務への理解度を深める

業務実績等報告書は、各独法が法人を所管する主務大臣から評価を受けるために作成する資料です。

長大で極めて読みづらいですが、ここには、中期目標や中期計画、年度計画に照らして各事業について何について取り組み、どのような成果が得られたのかが定性的、定量的に記載されています

各事業で求められている成果を掴め!

この資料を読めば、独法が成果としてアピールしたいと思っていることがわかってしまいます。

書類選考や面接では必ずといっていいほど「転職後に従事したい業務」を聞かれますが、これを知っているかいないかで回答の質がまったく異なることは想像に難くないでしょう。

もちろん本来の業務とあなたのイメージが若干ずれていても問題ありません。大切なのは「転職後はこれをしたい」ということをどこまで具体的に言えるかです。

これも読み方を教えますので、参考にしてきただき他のライバルから抜きんでてしまって下さい。

中期目標で目を通した事業だけ読め!

結論、「中期目標」で目を通した業務の項目だけ読めばいいです。つまり、あなたが興味をもった事業について、「もしこの業務を担当する部署に配属されたらどんなことが求められるのか」といったことをイメージしながら読むのです。これができれば100点です。

ここでもまた都市再生機構(UR)の業務実績等報告を見てみましょう。

出典:令和4年度業務実績等報告書|都市再生機構
https://www.ur-net.go.jp/aboutus/jkoukai/jni4dd0000005fwn-att/ur2023_gyomuhokoku_0-3toshisaisei.pdf

これが業務実績等報告の外観です。これをガイドなしで読めと言われても無理ですよね。私も初見でキレそうになりました。

ということで、赤枠をご覧ください。ここに「業務実績」「自己評価」とありますね。この列を読みます。読み進めると、本記事で先ほど確認した「①都市の国際競争力と魅力を高める都市の再生」が出てきます。

出典:令和4年度業務実績等報告書|都市再生機構
https://www.ur-net.go.jp/aboutus/jkoukai/jni4dd0000005fwn-att/ur2023_gyomuhokoku_0-3toshisaisei.pdf

ここを読み、自分がその業務をすることをイメージしましょう。他の箇所は時間の無駄なので読まなくて良いです。

余談ですが、この資料の作成に関わったことがあるモリモトが作業の裏側を少しだけお話します。この資料がやたら長大で読みづらいことには理由があります。

それは作成過程にあります。この資料、各部署、課室がそれぞれの所掌業務について作文したものをくっつけた結果できあがっています。つまり、目標や計画に対して何をやったのかをひたすら羅列したものになっている、というのがこの資料の全体像です。

このように全体としては何の価値もない資料です。しかし、これから独法に転職しようとするあなたにとってはそれなりの意味があることは、すでにご理解されている通りです。

給与水準で転職後年収の相場感を掴め!

これまで紹介した二つの資料は企業でも同様のものがあるかもしれませんが、ここでご紹介する給与水準だけは本当に独法ならではの情報です。

独法には、「役員の報酬等及び職員の給与の水準を、国家公務員及び他の独立行政法人の役職員と比較できる形で分かりやすく公表すること」という政府(特殊法人等改革推進本部)の決定を受けた義務があります。この決定を受けて、独法制度全体を所管する総務省が策定したガイドラインがあり、これにより各法人は給与水準等を公表させられています。

つまり、ここに記載されている給与水準は求職者向けの虚構ではなく、国への報告としての事実上の数字です。その信用度の高さは言うまでもないでしょう。モリモトの実感としても、ここに記載されいてる数字はかなり的を射ています。

赤裸々に公表されている職員給与を見よう!

ここに記載されている職員給与を読めば、転職後のあなたの年収はかなり正確に予想することができます

そのためには、「年齢別年間給与の分布状況」「モデル給与」を見ます。

「年齢別年間給与の分布状況」では、以下のようなグラフで職員の年齢別年間給与の分布状況が四分位レベルで示されています。これをあなたの年収に当てはめてみればほぼだいたいわかります。

出典:独立行政法人都市再生機構(法人番号1020005005090)の役職員の報酬・給与等について|都市再生機構
https://www.ur-net.go.jp/aboutus/jkoukai/bjdv9d00000016pf-att/ur2023housyukyuuyo_1.pdf

とどめに、モデル給与を見ます。UR都市機構を例にあげると以下のように書いてあります。

(扶養親族がいない場合)

○ 22歳(大卒初任給)

月額 210,400円 年間給与 3,438,000円

○ 35歳(主査)

月額 356,975円 年間給与 5,988,000円

○ 50歳(本社課長)

月額 669,696円 年間給与 10,924,000円

独立行政法人都市再生機構(法人番号1020005005090)の役職員の報酬・給与等について|都市再生機構
https://www.ur-net.go.jp/aboutus/jkoukai/bjdv9d00000016pf-att/ur2023housyukyuuyo_1.pdf

これはかなりリアルな数字で、体感的にはその年齢の職員の中央値がだいたいこんなものではないかと思われます。

あなたの年齢がここに乗っている年齢に近いのであれば、上記から年齢の差×年間の昇給額があなたの転職後の給与です。年間の昇給額も、別途公表されている給与規定を読めばだいたいわかります。

これが転職前にわかれば、転職先の絞り込みはもちろんのこと、転職後のライフプランの再設計もかなりの制度で行うことができます。

法人間の年収比較もできる

さらに、あなたが複数の独法への転職を検討しているのであれば、法人間の年収比較として「対国家公務員指数」も参考になります。

対国家公務員指数というのはその名の通り、国家公務員の給与を100とした時にその法人の給与を年齢等を勘案して示す数字で、ラスパイレス指数とも呼ばれます。端的に言うと国が「独法のお前らが国家公務員様より高い給料もらってるわけないよなあ?!」と詰め寄ってくるので「もらってないですう」と出している数字です。

これを法人間で比較すると、法人の年収ランキングがだいたいできてしまいます。

例えば、当サイト「独法暮らし」がお薦めしている都市再生機構(UR)、産業技術総合研究所(AIST)、高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)の3法人の令和4年度対国家公務員指数(年齢勘案)は次の通りです。

法人対国家公務員指数(年齢勘案)
都市再生機構(UR)117.4
産業技術総合研究所(AIST)100.1
高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)104.1
モリモト
モリモト

あれ、URすごいな…モリモトも転職しようかな…

独法の性質をフルに活用した転職活動をしよう

独法は国の機関ですので、法律や政府方針により様々な義務が課されています。

今回紹介した資料もこれらによって公表させられているものです。当然転職者向けに公表しているものではありませんが、転職者にとって大きな武器になることは間違いないです。

そして、みなさんがこのような武器をもって転職活動に挑まれることは、独法側にとっても悪い話ではないと思うのです。

転職前にその法人をどこまで理解しているか。これは内定を得るとか以前に、転職そのものの成否にも影響します。

よく巷には「転職したけど失敗した」という人がいますが、これは事前に転職先のことをあまり知らなかった(知ることができなかった)ことに由来すると思います。転職後に「なんか思ってたのと違うな」と感じ早々に退職してしまう人が出てしまうのは求人側としては大きな損失です。

でも、独法の場合は情報が豊富にあります。この「思ってたのと違うな」には転職前に気が付くことができるのです。それはあなたのメリットである以上に、法人側としても人材流出リスクを回避できるとも言えます。

ですからみなさんも積極的にこれらの資料を活用し、転職すべき法人を探し出してください。応援しています。

以上

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